術後三日目

朝は痛みで起きました

なんの勘違いか、11時に起きたと思ったらまだ8時
また長い一日が始まるのかと憂鬱になりました
 
朝起きて時間をつぶすためにごろごろしていると、10時前にとうとうやつが来ました
便意です
術後初排便の時が来たのです
ただ、降りてくるまでもう少しかかりそう
その間に体勢を整えておくことにしました
 
まずは何よりロキソニン
効果のあるタイミングで飲んでおきたい1品です
冷蔵庫を漁り、置いてあったサンドイッチを口に放りこんでから胃薬と飲みます
 
続いてお風呂
我が家のお風呂は壁一枚隔ててトイレの隣にあるので、5歩でシャワーが浴びれます
そのお風呂に温かいお湯を溜めておきます
 
そうこうしているうちに来ました
ボスバトルです
ズボンを下ろして便器に座ると、にゅるるっと便が出てきました
固くはなさそうです
しばらくして、小指の先程度の大きさのものが輩出されました
 
その時にほとばしる痛みたるや
考えてみれば当たり前
少しの切れ痔で痛いと騒いでいたのに、今はその何倍もの巨大な切創があるわけです
(ちなみに、肛門の手術では術後のために傷は縫わないのが多いようです)
それを押し広げて細菌だらけのうんこを押し出す
鬼畜の所業です
戦国時代に敵軍にやってたみたいなことをセルフでやっているわけです
 
しかも私
約5日ぶりのお通じ
その間に絶食があったりウイダーで済ませたりと、食事量そのものが少なかったことはありますがそれでもそれなりの量がたまっているはずです
結局、便器を立ったり座ったりしながら6回に分けて排出しました
終わった後も残便感は拭えず、次の恐怖が頭をちらつきます
しかも、終わった後肛門は戻ろうとして収縮するのがまた痛い
いわゆるズキューンです
でもそれ以上に排便が痛いので、そんなものにかまっている暇はありません
 
身体を引きずり、お風呂に入ります
ちなみに紙では拭けません
拭くというより軽く押し当てているだけ
便と血が1対1くらいの割合でした
 
だからその分、お風呂でしっかり洗浄します
手を水を掬うときのような形にしてお尻にあてがい、お尻をじゃぶじゃぶと洗います
うちのシャワーは勢いが強いので直接当てる勇気はありませんでした
 
そしてゆっくり湯船につかります
ジンジンとした痛みがゆっくりほぐれていくのがわかります
一生ここで暮らせないものかと思ってしまいます
 
お風呂から上がり、傷用イソジンで消毒
ようやくひと段落付けました
時刻は既に二時になっていました
 
自室に戻ってベッドに乗っていると、知らず知らずのうちに眠っていました
排便はよほど疲れる作業なのです
起きたら夕方6時でした
ロキソニンも切れ、次のものを飲む飲まないの駆け引きをしつつ時間をつぶし、午後7時過ぎに夕食
ご飯と豚もやし、鮭に肉豆腐でした
それらを野菜中心に食べ、食後に各種薬を飲むとその直後
やつです
やつが現れました
本日二度目の登場です
 
幸い、お風呂は沸いてる
一応追い炊きボタンを押しておきます
惜しむらくはロキソニンがまだ効いていないこと
ただ世の中そんなに甘くはない
胃腸は待ってくれません
「同じ身体なんだから仲良くしよう」と訴えかけても意味のない、なかなかの聞かん坊です
 
結局そのまま二回戦へ
少し水っぽいですが痛いもんは痛い
出てるときはましになる瞬間もあるんですが、出始めと出終わりがとにかく痛い
たとえようもありませんが、当たり前に切り傷系の痛みです
「痛すぎてブラックアウトした」とか「出産を思い出した」という声を聞きました
排便後もジンジンした痛みと8連続ズキューンでしばらく動ける気がしません
ただ、ずっと座っているのは痔に良くない
気合と根性で立ち上がり、風呂へと歩を進めます
 
一度入ればそこは極楽
家の中にできた唯一無二の桃源郷
排便も風呂で済ませたいぐらいの気持ちになりました
 
そんなこんなで気付けばこの時間
排便に支配された一日でしたが、昨日とくらべると腰を曲げた時の痛みが大幅に減っています
これで床に落としたものを拾える
 
明日は通院日
出るにきまってるんでしょうけど、排便時の出血が気になるので一応聞いてみようと思います

術後二日目

起きると朝8時
思った以上の快眠!早くも治りかけてきたのかと期待がかかります

痛みもあるにはありますが前日から3割引程度、経験のお陰で耐えられないことはない程度のものになっていました(もちろんズキューン!は襲ってくるのですが)

そして今日は通院の日
少しだけ早く歩けるようにもなりました
25分弱で病院にたどり着き、経過をみてもらいました
傷は特になにも言うことなし、便を柔らかくするマグネシウムだけ処方してもらいました

そうです、ここからは便を出さないといけないのです
実は元々便秘体質で、この時点で先週木曜以来出ていない状態
中三日空いてるのにこのコンディションで排便に挑むのは怖かったのです

診察自体はさっと終わり、料金も590円 
ついでに入浴許可も降りました
帰りにローソンで野菜スムージーを買いました

痛み止めが効いている間はズキューンを除いて痛くはないのですが、かといって大学に行けるほど調子が良いわけでもありません
だから調子が良くなるまでは家で安静にすることを決めていました

昼過ぎに帰宅すると真っ先に風呂を溜め、スムージーとうどんを食べて薬を飲みます
もしも排便が来るのなら、痛み止めが一番効いているときにしたい
その思いで一杯でした
 
二日ぶりの風呂はすごく気持ちが良い
単純に汗だくになることが多かったことに加え、痔にも優しいのです
痛みも抑えられ、ズキューンさえも威力が弱まるようでした

上がったあとはまた布団の上でごろごろ
先生へのメールなんかが溜まっていたのでそれを処理したり、このブログを立ち上げたりとパソコンをカタカタ

ロキソニンも長く効いていて、なんだちょろいななんて思っていました

異変があったのは夜になってから
肛門部に妙な膨張感と痛みが走ります
ロキソニンも切れかけていて最悪のタイミング
とりあえず便座に腰をおろし、出てくるかどうかを伺います


一向に下りてこない

トイレは3分以内が望ましいとされているので、一旦待避して体勢を立て直します

それでも下りてこない
確かにある感じはする
今までだとちょっと無理して出していたかもしれません
だけどそれはしないできない
なぜなら私は手術後間もない
いきむ危険を知っている

ここで、今まで便の恐怖から避けてきたごはんをしっかり食べるということをやります
晩ごはんは野菜多めの鍋焼きラーメン
ネギを中心にたくさん食べました

しかし結局、この違和感と痛みは取れず、入浴の後ロキソニンによって無理矢理おさめ、眠りについたのでした

手術翌日(術後一日目)

結局あまり寝れず、朝6時に起床
寝不足だけど痛みが圧勝して寝れはしない
痛いなーと思いながらゴロゴロしていると、看護士さんが点滴を交換しにやってきました

とりあえず尿が出てひと安心
副作用の頭痛もなさそうです
ただ、尿が出終わった後に必ずズキューンがくるのはやめてほしい
尻の穴のすぐ近くを、ペンチ的なもので引っ張られるような痛みです(そんなことされたことないけど)
結構痛いですこれ

朝ごはんは8枚切り食パン二枚と牛乳
食欲はないけれどロキソニンを飲むためにごはんを食べます
ほの暗い部屋のなか、一人で無言で食べてるとなんだかすごくむなしくなりました

ロキソニンが効いて、痛みが少し軽減されている間に一眠りしていると昼過ぎになりました
最後の点滴も終わって、いよいよ帰れる時間に
日曜ということもあって精算ができないのでひとまずそのまま帰ります
来るときは15分で来れましたが、帰りは1時間ほどかかりました
なんせ歩くのが痛い
ペンギンのような歩き方しかできず、散歩中のおじいちゃんがあっという間に見えなくなるくらいのスピードしか出ません

空腹だけれど食欲はない
菓子パンを1つ買って帰りました

帰宅してすぐさまパンを食べ、ロキソニンを飲みます
お腹は空かず、なんなら食べたくない位の気持ちがありますが痛み止めのためです

母にウイダーinゼリーを買ってきてもらうよう頼み、しばらく就寝
寝てる間が一番傷が回復する気がするので極力寝るようにしています

そうこうしているうちに深夜に
6時くらいに3回目のロキソニンを飲んだので、一日のリミットが来てしまいました
ところが尻は痛む
かなり痛む
夜は傷が疼くのです

入浴許可が出ていないので、とりあえず洗面器にお湯をため、椅子にバスタオルを敷いて座浴することにしました
家族が寝ている深夜ならではです
これが気持ちいいのなんの
願わくばもっとおおきな洗面器が欲しかった
でも気持ちいいのはやってるときだけで、上がれば痛みは帰ってきます
背に腹は変えられん、日付は変わっていると自分に言い聞かせて禁断のロキソニン4つ目に手を出して眠りにつきました

手術当日②(術後)

午後4時すぎ、起きてもまだ麻酔は効いているようでした
尻に突っ込まれたガーゼの感覚もありますが、全部ぼんやりした感じ
絶対安静を言い渡されているので、ただ眠るしかありません
食事は出ず、手術前につけられた点滴での栄養補給になります
前日の夜を食べ損ねていたので、まあまあの空腹感の中痛み止めだけ飲んで再び夢の中へ


次に起きたのは午後6時頃、今度は痛みで目が覚めました
麻酔が切れたみたいです
でも、正直思っていたほどではなかった…とこのときは思っていました

午後7時、徐々に感覚が戻ってきます
と同時に激しくなる痛み
ロキソニンが屁の役にも立ちません
加えて、体内から麻酔成分を排出するために尿を出さねばならないのです
それができなければ尿道カテーテルの刑
それだけは避けたい

午後10時、尿はまだ出ません
尻は激痛で見事に八方塞がり
「こんな思いをするのなら手術なんてしたくなかった」と何度も繰り返しました
病衣はびしょ濡れでした

午後12時、日付が変わりましたが状況は変わりません
まず、尻に入れられたガーゼが痛い
ただ痛いだけならまだしも、肛門に突っ込まれているもんだから身体が便と勘違いしているのかすごく漏れそうな気分になる
こんな状態で寝れるわけがない
尻に指を突っ込まれて快眠できるやつなんかそういないでしょう
こう訴えると、見かねた看護士さんが引っこ抜いてくれました
が、それも猛烈に痛い
強烈な傷痕に当てて血で固まったガーゼを引っこ抜いたのだから当たり前でしょう
脳天を貫くバリバリという音は地獄の断末魔
血まみれのガーゼが尻から出ました

何はともあれ状況は好転……しませんでした
痛いものは痛い
色々な人のブログにもありますが、尻が締まったときにくる「ズキューン!」とした痛みが襲ってきます
特に尿を出そうとして、膀胱に力を入れた結果ニアミスで尻にも力が入ってしまったときが悲惨
尻は暴れ、その痛みで尿は引っ込みます
そんなこんなでちょっとずつ、ちょっとずつ膀胱と尻の押し問答を繰り広げ、午前3時頃ようやく初の尿を出すことができました

そこからはあれよあれよと出るわでるわ
一時間であっという間に一リットルの尿瓶が一杯になりました
「あぁ良かった、出たのね」と看護士さんは笑顔、尿道プレイを免れた僕も笑顔です

相変わらずの尻の痛みを訴えるとボルタレンをくれました
ボルタレンでも抑えきれはしなかったけど、多少マシになったと言い聞かせて無理矢理眠りにつきました

手術当日①(手術)

朝は7時に起きました
すごく快調
どこも悪くないしなにも痛くありません
病院には9:30に行くように言われていたのですが、もはや行かなくてもいい気になります
でも今後のことを考えて我慢
この我慢をして良かったと思える日が待ち遠しい


で、家から歩いて15分程度の病院に9:30ちょうどにつきました
受け付けで名前を伝えると、さっと通されて病衣を渡されました
そのあと心電図とレントゲンを取って手術計画を伝えられ、採血&点滴を行っていざ手術室へ
採血は看護婦さんが数回失敗したため貧血でくらっとしました
手間取ったためか、浣腸は無しになりました


手術室へは自分で歩いて入室
大体10時すぎです
ここで全裸になって心電図を取り付けられたり、肩に謎の注射を射たれたりしました
しばらくすると、先生がやって来ました
心電図をつけられてるので、緊張が相手に直に伝わってイジられます
そんな雑談をしながら背中にぶっすりと麻酔を刺されるのですが、これが中々痛かった
じきに下半身がジンジンしてきて、足が心地よくしびれてきます
足があんまり動かなくなったところで、看護婦さんに足を持ち上げられてベッド両サイドの器具に固定されました
出産の体位です
覚悟してなかったので恥ずかしかったです

手術自体は二十分程度で終わりました
手術中は痛みもなく、ただパチンパチンと肉を切る音と心電図が響くのみ
先生に切ったものを見るか、と聞かれましたがそのときは興味が無く、断ってしまいました
もったいないことをした
ただ、先生がゴミ箱に投げ込んだ時の音がまあまあな質量を持っていました


そこからオムツを履かされ、病室へと送られました
麻酔の副作用が出るかもしれないので、今日は一日起き上がらないことを注意されましたが、効き続けている麻酔の浮遊感と普段起きない時間に起きたことでさっと寝てしまい、起きると夕方の16時を回った頃でした

痔の手術をうけました。序

タイトル通り、痔の手術を受けました。
それで安静にしなければいけないためめちゃくちゃ暇であること、様々な人のブログをみて参考にさせていただいたことなんかを振り返り、せっかくの機会なのでブログに書き起こしておこうと思います。
とりあえず痔との出会いから。

痔がはじめて出たのはたしか高校三年の時
椅子に座っての受験勉強とストレスが祟ったんでしょう
でも最初は痛くもないし小さいし放っておけば戻ってたので無視。そのままなんやかんやで浪人期も終わらせました。

痔が本格的に主張しはじめたのは大学に入ってから
うんこしたあと、腹筋に力を入れたときなんかにちょろっとでてきては指で押し込むまで帰らなくなってました
ここで薬とか塗っておけばよかったものを…
それでもまだ痛くないし毎日出るわけではないので押し戻しては放置

で、就活が始まった頃
押し戻してもなかなか戻らないほど立派に成長していました
痛みもしっかりついてきます
東京への移動は地獄と化し、いつも尻を気にかけるようになりました
これはまずい、と病院に駆け込むとお医者様曰く「切らないと治らないね」だそう

内痔核が大きくなって、それが排便のたびに外に出るもんだからそのせいで肛門が切れている、とのことでした
いぼ痔と切れ痔のコンボが決まってました

時には痔が戻らず、出しっぱなしでアルバイトをしたり面接を受けたり…なかなかの辛い思いをしました

と、いうわけで就職活動が終わり、この時間がある間に治してしまおう!と手術を決意したのでした